皆さんはご自身のお口の中に歯が何本あるかご存じですか?
親知らずを除くと、大人の歯は全部で28本あります。
しかし、むし歯や歯周病・外傷など様々な理由で歯を失ってしまう方もいらっしゃいます。
そして歯を抜けたままにしておくと、噛み合わせが崩れていってしまうので、何らかの方法で
歯を修復する必要があります。
歯を抜いた後の治療法は、大きく分けて入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類です。
今回はインプラント治療の特徴についてご説明します。
歯を抜いた後の治療法
歯を抜いた後は、その部分を何らかの方法で補う必要があります。
大きく分けて3種類の治療法があります。
1.入れ歯
入れ歯はピンクのプラスチックの土台の上に人工の歯が並んでいます。
部分入れ歯の場合は、入れ歯を支えるために、残っている歯に金属のバネを付けます。
失った歯が多い場合に選択されることが多いです。
違和感が大きく食事がしにくかったり、話しづらかったり、バネの見た目が気になるなどの審美的なデメリットがあります。
2.ブリッジ
ブリッジは抜いた歯の両隣の歯に被せ物をして、橋渡しにする治療法です。
主に失った歯が1~2本程度の場合に選択されます。
違和感が少なく、治療期間も少ないことが利点ですが両隣の歯を削らなければならないことがデメリットです。
3.インプラント
インプラントは歯を抜いた部分の骨に土台のねじを埋め込み、人工の歯を立てる治療法です。
ではインプラント治療について詳しく説明していきましょう。
インプラント治療の流れ
インプラント治療では、歯を抜いた後の骨に土台となる人工歯根を埋め込みます。
素材は生体に優しい金属であるチタンを用いることが多いです。
人工歯根を埋め込むためには、土台となるしっかりとした骨が必要です。このため、インプラント治療が可能な状態なのかを歯科用CTなどで事前に診断します。
抜歯が必要な場合は、抜歯と同時にインプラントを埋め込む場合と抜歯後、骨ができるのを待ってからインプラントを埋め込む場合があります。
顎の骨がやせてしまって骨の厚みや量が足りない場合は、人工の骨を足したりする手術が追加で必要になる場合もあります。
インプラントを埋めた後は、一般的には骨にインプラントが定着するまで3か月程度待ってから被せ物を入れて噛めるようにします。
お口の状態によってはインプラントを埋め込んだ後すぐに噛めるようになる場合もあります。
インプラント治療のメリット・デメリット
メリット
インプラント治療のメリットは、よく噛めることと見た目が自然なことです。
左右の歯が残っていて、1本分の歯の欠損の場合はブリッジで治療することも可能です。
しかし失った歯の位置や本数が多い場合はブリッジにはできず、入れ歯になってしまうこともあります。
入れ歯は歯ぐきの上に乗っているため食事の時に痛みが出たり動いてしまったりと、ご自身の歯に比べて食事がしにくく、しゃべりづらくもなることもあります。
また、残っている歯にバネをかけるため見た目を気にされる方も多いです。
インプラントは骨に土台を埋め込んで歯を立てるため、抜歯となった歯の位置や本数に関わらず治療することができます。
ご自身の歯と同じようによく噛めて、バネもなく見た目にも自然な被せ物を作ることが可能です。
デメリット
インプラント治療は自費治療です。このため、金額が高額になることがまずデメリットとして挙げられます。
またインプラント治療は外科処置が必要です。このため、全身状態によっては手術が難しいこともあります。
最初の検査から手術、被せ物が入って噛めるようになるまで期間や通院回数がかかることもデメリットです。
さらにインプラント治療のためには、土台を埋め込むための顎の骨の厚みや量が必要です。このため、顎の状態がインプラントを埋め込むのに適さない場合は別途骨を増やす手術が必要になり、その分費用や期間も大きくなります。
インプラントによる審美性の回復
歯を失った後、特に入れ歯を使っている方だと入れ歯のバネや見た目が気になってお口をあけて笑えないという方も多くいらっしゃいます。
インプラント治療では骨に土台を埋めて歯を立てるため金属のバネなどはなく、見た目はご自身の歯とほぼ変わりません。
しかし、歯周病が進んでしまってから歯を抜いてインプラント治療をする場合などは歯ぐきが下がってしまい歯ぐきの高さなどの見た目が気になる場合もあります。
歯周病が進行している場合は、治療の難易度が上がったり、複雑になることも多くなります。
また前歯の治療で、歯を抜いたことで歯ぐきがやせてしまっている場合などは、歯ぐきを移植する手術などを同時に行うことでより見た目がきれいに仕上がります。
まとめ
自信をもって笑えて、よく噛めるお口は、人生を健康に楽しく過ごすために欠かせないものです。
何らかの理由でご自身の歯を失った場合にインプラント治療を選択することは、見た目でも機能性でも非常に有益です。
お口の中でご不安なことがある場合は、ぜひ歯科医院でご相談ください。
また入れ歯の見た目や機能性でお悩みの方も、ぜひインプラント治療で自信の持てる口元を手に入れて美味しく楽しく食事をしましょう!