皆さん、ご自身の歯並びに自信はありますか?
歯並びはお顔の印象を大きく左右します。
矯正治療は子どもや学生など、若い人がするものというイメージが多いかもしれませんが、最近は中高年で矯正される方も増えてきました。
以前は矯正治療と言えば、歯に金属の装置とワイヤーを付けて動かすブラケット矯正がほとんどでした。この金属の装置を付けることに抵抗がある方も多いですよね。
現在もブラケット矯正は主流であるものの、近年は透明なマウスピースを使ったマウスピース矯正が増えてきました。
マウスピース矯正の中でも、最もシェアが大きく歴史が長いのがインビザラインと呼ばれる装置です。
今回はインビザライン矯正の特徴と、メリット・デメリットについてお伝えします!
インビザラインとは
インビザラインは1997年にアメリカで開発され、日本では2005年から正式に発売・導入されたマウスピースを用いた矯正システムです。
世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える症例があります。
インビザライン矯正の流れ
精密検査
矯正治療を始めるにあたり、レントゲンやCT、口腔内写真や顔貌写真を撮って精密検査を行います。
インビザラインの場合、歯の歯型は粘土での型どりでなくIOS(Intraoral Scanner,口腔内スキャナー)でお口の中を撮影して3D画像を構築します。
スキャンをすることにより、より精密で誤差の少ない模型を作ることができます。
治療計画を立てる(クリンチェック)
精密検査の結果をもとに、コンピューター上で歯をどのように動かしていくかの治療計画を立てます。この治療計画はクリンチェックと呼ばれます。
クリンチェック上で歯の動かす順番や速さを設定します。また、歯を動かしやすいようにアタッチメントと呼ばれる突起を歯につけたり、歯を動かすために歯を削って隙間を作るといった作業も組み込みます。
最終的にこのような歯並びにしたいなどの希望は、このクリンチェックにしっかり反映していくことが大切です。
マウスピースを装着して矯正治療開始
クリンチェックが出来上がると、ラボでマウスピースの作成が開始されます。
マウスピースが届いたら、いよいよ矯正開始です。
マウスピースは食事・歯磨きの時以外はつけっぱなしで、1日20~22時間の装着が必要です。
インビザライン矯正のメリット・デメリット
メリット
・見た目が気にならない
インビザライン矯正の最大のメリットの一つが見た目の綺麗さです。従来のワイヤー矯正では、どうしても金属の金具やワイヤーが目立ってしまい、矯正治療に抵抗を感じる方も多くいらっしゃいました。
インビザラインは透明のマウスピースなので、近くでよく見ないと気が付かないくらい自然です。矯正器具の見た目が気になって矯正をためらっていた方にはとてもおすすめです。
・歯磨きがしやすい
ワイヤー矯正ではどうしても器具の隙間にプラークがたまりやすく、むし歯のリスクが高くなります。矯正治療が終わった後に、むし歯がたくさんできていたということも少なくありません。インビザラインのマウスピースはご自身で取り外しができるため、歯みがきの時は外して磨くことができます。このためお口の中を清潔に保つことができます。
・違和感が少ない
ワイヤー矯正では器具が唇にあたって傷や口内炎ができてしまったり、違和感が気になることも多いです。
インビザラインのマウスピースは比較的違和感少なく使用できます。
・痛みが少ない
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較し、痛みが少ないと言われています。しかし、痛みの感じ方は歯並びの状態により個人差が大きいです。
デメリット
・マウスピースを付けないと歯は動かない。
インビザラインのマウスピースは自分で取り外しができます。それはメリットでもありますが、デメリットにもなります。
歯磨きが面倒だったり、つけて出かけるのを忘れたり、間食がしたくなったり・・・そんな理由で装着時間が短いと、計画通りに歯が動かなくなります。
・マウスピースを付けた状態で食事や水以外の飲み物を飲めない
インビザラインのマウスピースを付けた状態では、水以外の飲食はできません。食事や糖分の入った飲み物を飲むときなどは一度マウスピースを外して、歯磨きをしてからマウスピースを付ける必要があります。
もともと、間食が多かったりジュースを飲む習慣がある方は生活習慣を変える必要があります。しかしこれにより虫歯リスクも下がり、良い口腔状態になる方も多くいます。
・歯冠形態修正やアタッチメント付与
状態により歯の形を少し調整させていただく場合があります。
まとめ
インビザライン治療の最大のメリットは取り外しが可能で、見た目が気にならないことです。今まで矯正治療のハードルが高く感じていた方でも、矯正治療を始める方が増えてきました。
しかし、メリットはデメリットでもあります。ご自身の管理となるため、装着時間や装着方法が守れないと計画通りに治療が進まなくなります。
また、歯並びによってマウスピース矯正が向いている場合と、従来のワイヤー矯正が向いている方がいらっしゃいます。
ぜひ歯科医院で、ご自身に合った治療法をご相談ください。