皆さんはご自身の前歯で気になる所はありますか?
歯の色が気になったり、歯並びが気になったり、歯の形が気になったり・・・上の前歯は笑ったりお口をあけたときによく見えるところなので、細かいところまで気になることも多いですよね。
歯の色を白くしたい場合はホワイトニング、歯並びを治すには矯正治療が一般的です。
しかし、前歯の治療に被せ物が選ばれることもあります。
被せ物の中でも、ご自身の歯を削る量を最小限にして行う被せ物のことをラミネートべニアと呼びます。
今回はラミネートべニアとはどのようなものなのか。そのメリット・デメリットについてお伝えします!
ラミネートべニアとは
ラミネートべニアとは前歯の表面のエナメル質を薄く(0.3~0.5mm程度)削り、表面にセラミックの歯を付け爪のように貼り付ける治療方法です。
ではどのような場合に、ラミネートべニアという方法が適しているのでしょうか。
適応症例
・歯と歯の間に隙間が空いているすきっ歯
・ホワイトニングでは白くならない歯の変色
・エナメル質形成不全
・ホワイトニングするよりも白い歯を持続したい方
・欠けていたり、すり減っている歯
・矮小歯(小さい歯)など形が気になる歯
・古い詰め物の変色が気になる歯
・軽度の歯列不正の歯
治療方法
まず、どのような形や色の歯にしたいかをカウンセリングでしっかりご相談します。
治療では、歯の表面のエナメル質を削りラミネートべニアを付けるための形を作ります。
削る量は、もともとの歯の形や目標とする歯並びによって異なりますが0.3~0.5mm程度のわずかな量です。
その後型どりをし、仮歯を付けます。後日来院いただき、ラボで製作したラミネートべニアを装着したら完成です。
ラミネートベニアのメリット・デメリット
メリット
・歯を削る量が最小限で済む
歯の形や色を被せ物で治そうとした場合、被せ物の厚みをとるために歯を大きく削らなくてはいけません。神経が生きている歯を大きく削った場合は神経が障害され、痛みが出ることもあります。
ラミネートベニアは歯の表面のエナメル質を一層薄く削るだけです。歯の裏側の噛む力がかかる部分はご自身の歯のままのため、削る量が最小限で済みます。
このため被せ物よりも歯に優しい治療ができます。
・治療期間が短くて済む
歯と歯の間の隙間など歯並びが気になり矯正治療を行う場合、治療期間は数か月から数年かかります。すぐに歯並びを治したい場合や、忙しくて何度も通院することが難しい方もいらっしゃいますよね。
ラミネートべニアの治療は、歯の形を整えて型どりをしたら、その次の時にはもうラミネートべニアを装着できます。
・歯の白さを長期間持続できる
歯をホワイトニングで白くしても、必ず後戻りをします。歯の白さを維持するためには定期的にホワイトニングをする必要があります。
ラミネートべニアの素材であるセラミックは変色しません。このため、長期間歯の白さを持続することができます。
・ホワイトニングで白くならない歯も白くできる
先天的に変色している歯など、ホワイトニングでは白くならない歯があります。
また部分的な詰め物が入っている歯の場合、ホワイトニングで詰め物は白くならないため歯の部分をホワイトニングすると色の差が目立ってしまいます。
ラミネートべニアでは、ホワイトニングで白くならない歯や、詰め物が入っている歯でもきれいな白い歯にすることができます。
デメリット
・わずかであるが、歯を削る必要がある
被せ物に比べて歯を削る量が少ないのはラミネートべニアのメリットです。しかし、わずかとはいえ自分の歯を削らなくてはならないのはデメリットです。
ホワイトニングで歯を白くしたり、矯正治療で歯の隙間を閉じたりする場合は歯を削る必要はありません。
・被せ物に比べて外れやすい
ラミネートべニアは付け爪のように、歯の表面にセラミックの歯を貼り付けます。
このため、被せ物に比べて接着面積が狭く外れやすいという欠点があります。
近年は接着技術の向上により、以前に比べて外れにくくなりました。
それでも、被せ物に比べるとまだ外れるリスクは高くなります。
・歯ぎしりやくいしばりで欠けやすい
ラミネートべニアに使うセラミックはとても固い素材です。しかし、歯ぎしりやくいしばりの強い力が日常的にかかる場合は欠けてしまうことがあります。
歯ぎしり、食いしばりのあるかたは寝るときにマウスピースを使うなどの対応が必要です。担当医にご相談ください。
まとめ
前歯の色や形は、顔の印象を大きく左右します。
歯の色を変えるにはホワイトニングや被せ物での治療、歯並びを変えるには矯正治療などの選択肢があります。
ラミネートべニアは歯を削る量が最小限ですみ、短期間で歯の形や色を変えることができる治療法です。
しかし、噛み合わせなどによっては適さない患者さんもいらっしゃいます。
最適な治療は患者さんによって異なりますので、ぜひ歯科医院でご相談ください!