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歯周病治療における手術とは?

当院ブログでも何回かお話しましたが、歯周病を治すには歯周ポケットにたまった歯石やプラークを取らなければなりません。しかし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、手術をして歯ぐきを切開しなければ歯石を取ることができなくなっている場合があります。このような歯周病の手術を歯周外科手術と言います。今回は歯周外科手術のお話です。

 

 

 

歯周病とは?

今までのおさらいになりますが、歯周病とはブラッシングが不十分でできた「プラーク」の中に存在する細菌によって歯ぐきに炎症を起こし、さらには歯ぐきの下で歯を支えている骨にまで感染して骨を溶かしてしまう病気です。歯周病が進行すると、やがて歯がぐらぐらになって抜けてしまいます。

歯周病の治療には様々ありますが、クリーニングなどの基本的な治療(歯周基本治療)で改善しない場合には手術が適応になることがあります。歯周外科手術は大きく分けて4つありますので、それぞれ説明していきます。

 

 

 

①組織付着療法

組織付着療法とは、歯周ポケットの中や歯根についた歯周病の原因菌や歯石を徹底的に取り除き、再び歯根と歯ぐきがくっつくようにする手術です。代表的な例は下記に方法です。

 

歯周ポケット掻爬(そうは)術

歯周ポケット掻爬術は、痛み止めの局所麻酔をおこない、歯根の表面にこびりついている汚れや歯周ポケットの感染した組織を取り除く手術です。汚れている組織を全て取り除くことで、きれいになった歯根に歯ぐきがくっつくので、汚れが溜まりにくい環境を作ることができます。

歯ぐきを切開しないので通常のクリーニングと同じ器具を使います。切開をしないので負担は少ないですが、汚れている部位を直接目で見ることができないので、手の感覚に頼って手術をすることになります。

 

フラップ手術

歯周ポケット掻爬術をしても症状が改善されない場合には、歯ぐきを切開して感染源を取り除くフラップ手術をおこないます。

歯ぐきを切開することによって汚れている部位を目で見ることができます。歯周ポケット掻爬術は目で見ることができないので感染源を取り切ることには限界がありますが、フラップ手術は目視下でおこないますので、汚れを確認しながら隅々まで取り除くことができます。

 

 

②切除療法

切除療法とは、歯周組織の病的な部分を切除し、歯周ポケットを浅くすることでプラークコントロールをしやすくする治療法です。代表的な例は下記の方法です。

 

歯肉切除術

歯肉切除術は歯周病によって歯ぐきが腫れ、歯ぐきの組織が増殖した症例でおこなわれる手術です。増殖した歯ぐきを切除して歯周ポケットを浅くするためにおこないます。

 

歯肉弁根尖側移動術

上で説明した歯肉切除術は、付着歯肉という正常な歯ぐきの幅が狭くなったり、失われてしまうリスクが高いです。これを避けるために、歯ぐきを弁のように切開して剥がし、根尖側に移動して縫合します。こうすることで付着歯肉を失わずに歯周ポケットを浅くすることができるのが歯肉弁根尖側移動術です。

 

 

③歯周組織再生療法

歯周病になってしまった病的な組織は自然に治ることはほとんどありません。骨が破壊されてしまったところは、歯周組織再生療法によって組織の再生を促します。

代表例は下記の方法です。

 

GTR法

歯ぐきを切開し、歯石を取り除いたところにメンブレンという特殊な膜を置き、失われた組織の再生を促します。このメンブレンで覆われたスペースに、骨や歯根膜などの歯周組織の再生を期待することができます。

 

 

リグロス、エムドゲイン

歯ぐきを切開し、歯石を取り除いてきれいになった歯根にエムドゲイン(タンパク質)またはリグロス(細胞を活性化させる成長因子)を塗り、歯ぐきを元に縫い合わせます。エムドゲインやリグロスには細胞の成長を促す働きがあるので、歯周組織の再生を手伝ってくれます。

 

骨移植

骨移植は、骨が破壊されてしまったところに自分の骨や人工骨を移植する手術です。先にお話した、リグロスやエムドゲインと併用してする場合もあります。

 

 

④歯周形成手術

歯周形成手術とは歯ぐきの形を整えて、見た目や清掃性を改善する手術です。

先に説明した歯肉弁根尖側移動術の他にも、歯ぐきの足りない所に移植する遊離歯肉移植術や、薄い歯ぐきに厚みを持たすために行う結合組織移植術などがあります。

 

 

 

歯周外科手術をしてよくなること

歯周病の治療で手術を行うことの良い点は、歯周病によって抜けそうになってしまった歯を保存できることがある、ということです。

また、歯ぐきの形を整えることができるので、日常的なブラッシングがよりしやすくなります。

 

 

 

歯周外科手術が敬遠される理由

歯周外科を提案すると、患者さんはなるべく回避したいと言われます。一番の理由としては、歯ぐきを切開する手術のため、痛みや腫れを伴うからだと思います。手術自体が怖いと言われる方もいます。

また糖尿病や高血圧などの全身疾患がある場合は、その疾患のコントロールをしなければならず、体の病気との兼ね合いを考える必要があります。

歯周病を進行させるリスクの一つに喫煙があるため、喫煙されている方はタバコをやめなければなりません。

保険診療でできない手術もありますので、金銭的な負担が大きくなる可能性もあります。

 

 

まとめ

いかがでしたか?今回は歯周病の手術について説明しました。歯周病は自然に治るものではないので、症状の進行に合わせた適切な治療が必要です。

当院では患者様ひとりひとりに合った歯周病治療のプランを提案しております。歯周病でお悩みの方は、当院に一度ご相談ください。

 

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