ストレスで歯ぎしりが増える!そんな話を聞いたことがある人は多いと思います。
この歯ぎしりは、歯にどのような影響を与えるでしょうか?
また、ストレスや睡眠不足で増えるものは歯ぎしりだけではありません!
今回はストレスや睡眠不足が歯に与える影響とその予防法についてお話します。
ストレスや睡眠不足が歯に与える影響
ストレスや睡眠不足が歯に与える影響はどんなものがあるでしょうか。順番に見ていきましょう。
歯ぎしり・くいしばり
まず一番知られているのが歯ぎしり・くいしばりでしょう。
歯ぎしりやくいしばりは寝ているときに無意識に起こり、誰にでもあると言われています。
そして、ストレスや不安が高まると身体がリラックスできずに緊張状態が続き、夜にこの歯ぎしりやくいしばりの症状が多くなることがあります。
通常あごを安静にしたときは歯と歯が離れている位置が正しい位置なので、あごを強くすり合わせることや歯を食いしばることは歯に普段よりも大きな力がかかることになります。
また、ストレスが睡眠の質を低下させる場合もあり、眠りが浅くなると歯ぎしりは起こりやすくなると言われます。
むし歯や歯周病
ストレスが高まると、むし歯や歯周病が進行し、口の中の状態が悪化する可能性があります。
なぜかというと、ストレスが増加すると交感神経が活性化し、唾液の分泌が減少するからです。
唾液は抗菌作用があり、口の中の健康に重要な役割を果たしています。
また、唾液は歯の再石灰化(むし歯をなおす働き)を促進したり、汚れを洗い流したりと歯を守る役割を果たしています。また、食事の消化を助けるたんぱく質や酵素も含まれています。
そのため唾液が減少すると、むし歯や歯周病が進行するのです。
さらに疲れや睡眠不足で口を開けていることが増えれば、それも口が乾燥しむし歯や歯周病を悪化させる原因になります。
また、睡眠不足自体が免疫機能を低下させ、口の中の炎症を悪化させる可能性があります。口腔内の炎症が増加すると、歯周病が悪化する可能性があります。
加えて睡眠不足はストレスへの対処能力を低下させ、ストレスが高まると、歯周病のリスクを高める行動習慣(たばこを吸う、不健康な食生活、運動不足など)が増加する可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群
口呼吸はまた、睡眠時の呼吸にも影響を与えることがあります。口を開けて寝ることで、口腔内や喉の筋肉が緩んでしまい、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は高血圧や不整脈など全身の疾患のリスクを上げるので、注意が必要です。
口内炎や口唇ヘルペス
ストレスが高まると、口内炎や口唇ヘルペスなどが発症しやすくなることがあります。
ストレスが増加すると、免疫機能が低下する可能性があります。その結果、口内炎や口唇ヘルペスの原因となるウイルスや細菌に対する防御機能が弱まり、発生がしやすくなると言われます。
また、ストレスが高まると、身体が緊張し、口の中の筋肉が緊張することがあります。
このような緊張状態で歯と粘膜がこすれあったり傷つけられることは、症状を悪化させる原因となります。
ストレスや睡眠不足が歯に与える影響を最小限にするために
以上の様にストレスや睡眠不足はお口の中に影響を与える可能性があります。
では、これらのような影響を最小限にしていくために、どのような事に気を付けていけばよいのでしょうか?
十分な睡眠とストレス解消
睡眠不足には十分な睡眠を確保することが重要です。
ストレス管理技術やリラックス法(例:深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れることで、身体の緊張を和らげることができますので、ご自身に合う方法を見つけることが大切です。
マウスピースを使う
歯ぎしりをなくすことはできませんが、歯ぎしりの力を直接歯に与えないようにマウスピースなどを作ることもおすすめです。
また、睡眠時無呼吸症候群も下あごを前に出すマウスピースの使用をすることで、睡眠中の呼吸がしやすくなることがあります。
バランスの良い食生活や適度の運動
バランスの良い食生活や適度な運動は、ストレスや睡眠不足にもよい影響を与え、免疫機能の向上に役立ちます。
普段から意識して取り入れましょう。
歯科医院での定期検診
むし歯や歯周病が悪化しないように、また歯に過剰な力が加わっても早期に発見できるように、日ごろから歯科医院でチェックをしておくことは大切です。
睡眠不足やストレスで免疫機能が低下すると、普段なら許容できていた細菌に抵抗できなくなってきます。
しかし、普段から自分ではとれないような細菌の塊である汚れを落としておけば、炎症は起こりづらいものです。
まとめ
ストレスや睡眠不足はお口の中の状態を悪化させてしまいます。
ストレスなく睡眠を十分に取れる生活を送るのが一番ですが、なかなかそのような規則正しい生活を送るのは難しいかもしれません。
定期的に歯科医院に通い、予防と早期発見ができれば影響は最小限にできます。
ぜひ、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。