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口腔機能低下症とは?

口腔機能低下症とは

口腔機能低下症とは単に加齢からくる生理的な機能低下ではなく、様々な要因によって口の中の機能が低下している状態を指します。

口の中は食べ物を咀嚼して嚥下するという大切な機能を有していますが、一連の動作が低下して機能障害が起こりうる状態です。

口腔機能低下症という病名はいくつかの検査を行い診断されます。

初期には自覚症状がないので、運動機能が低下する全身疾患をお持ちの方や50歳以上の方は

一度、歯科医院で口腔機能低下症かどうか確認のテストをしてもらうことをお勧めします。

 

 

口腔機能低下症とオーラルフレイル

口腔機能低下症と関係する単語としてオーラルフレイルという言葉があります。

フレイルは体の虚弱や衰えを意味します。

お口の中のフレイルは例えば、滑舌が悪くなる、食べこぼしが多くなる、むせ易くなるなどが該当します。

フレイルは健康と機能障害の間の状態です。この状態にある時に適切な治療や運動を行えば、健康状態に戻る可能性があります。

オーラルフレイルは概念的な意味があり、口腔機能低下症は疾患名です。症状として重なる部分が多く切り離して考えるものではありません。

したがって、口腔機能低下症とオーラルフレイルを同じ意味合いとして説明されていることがあります。

 

 

口腔機能低下症の対象者

口腔機能低下症は、おもに50歳以上を対象に歯科医療機関で以下の7項目の口腔機能評価を行い、3項目以上の項目で低下が認められた場合に診断されます。

なぜこの診断や検査が必要になるのかというと、口腔機能の衰えと体の衰えには相関があるという研究があるからです。

2065年には高齢化率は38.4%になり、2.6人に1人が65歳以上になる見込みです。

今後は健康な状態で生活できる健康寿命と平均寿命の差を少なくするための対策が必要です。

長生きができても、健康な状態で長生きできるかそうでないかで生活の質は大きく変わります。

その対策の一環としてこれらの評価が大切になります。

口腔能低下症の方は歯があるからといって、健康であるとは言えない事があるのです。

 

 

口腔機能低下症の検査

歯科医院で行う検査7項目で口腔機能低下症を診断します。

1、口腔不潔(口腔清掃不良)

2、口腔乾燥

3、咬合力低下

4、舌口唇運動機能低下

5、低舌圧

6、咀嚼機能低下

7、嚥下機能低下

以上が検査項目です。これにより何が疑われるかというと、低栄養状態であることを示唆します。

7項目中3項目が機能低下という判断がある場合には低栄養状態に達していることが考えられます。

 

口腔内環境の検査項目

口腔内環境は上記1、2に該当します。

舌苔の付着具合や口腔水分計による計測によって、乾燥状態の評価やガーゼを噛んだ時に出る唾液量の計測などを行うことにより確認します。

 

個別的機能の検査項目

個別的機能は上記3、4、5が該当します。

咬合力の検査、残存歯数、発音数の計測、舌圧計を用いた舌圧計測などを行うことにより確認します。

 

総合的機能の検査項目

総合的機能は上記6、7が該当します。

グミゼリーを用いたグルコース溶出量測定、質問票による嚥下状態評価を行うことにより確認します。

 

上記の検査は保険診療で行うことが可能です。

 

 

 

口腔機能低下症を予防するには

口腔機能低下症の予防や口腔機能低下症と診断された場合には改善のための運動や習慣があります。

前述の7項目においてそれぞれの対策があります。

 

口腔内環境に対しての予防

口腔内環境への対策は歯や舌の汚れの除去や義歯の洗浄などが挙げられます。

口腔乾燥には唾液腺のマッサージが効果的です。

耳の前にある耳下腺、顎の下にある顎下腺・舌下腺のマッサージを行うようにしましょう。

口腔乾燥が強い場合には口腔保湿剤を使用することも検討しましょう。

スプレータイプやジェルタイプなどがあります。

 

 個別的機能に対しての予防

個別的機能への対策は咬合力を上げることです。

歯や入れ歯の治療、滑舌や発音の練習、吹き戻しなどを利用することも改善に繋がります。

『パタカラ体操』や『あいうべ体操』などが発音の練習になります。

舌の機能を高めるには舌の運動が必要です。

専用の器具もありますが、無くても舌を突き出したり、口の中で頬を押したりすることも運動になります。

 

総合的機能に対しての予防

総合的機能への対策は嚥下機能を上げることです。

呼吸や飲み込む力を鍛えることが大切です。加えて咬むことを意識して食事の際に咬む回数を上げるようにしましょう。

柔らかい食べ物だけではなく、歯応えのあるものや食材をやや大きめに切ったり硬めに調理したりすることも効果的です。

食事が咀嚼の運動機能向上の機会となります。

 

 

 

まとめ

口腔機能低下症について確認しました。50歳以上の方は一度確認してみるようにしましょう。

以前と比べて食事の時間がかかるようになった、柔らかい食事が多くなったなどもオーラルフレイルの始まりかもしれません。

オーラルフレイルは自分では気が付かない間に進むこともあります。お口の健康は体の健康にも繋がります。

歯科医院では保険診療の改定に伴い、今後は口腔機能低下症の検査を行うことが多くなる可能性があります。

このような検査があることやオーラルフレイルについて知っていただき、口腔機能低下症を知るきっかけになれば幸いです。

 

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