子供の虫歯予防

子供の虫歯予防に熱心な保護者の方は多いと思います。

一昔前は『虫歯の洪水』と呼ばれていた時代がありました。

予防や治療にあまり関心のなかった方が多く、殆どの子供が虫歯を持っている状態でした。

今日では、フッ化物をはじめとした虫歯予防の概念が広く広がり、予防を中心に治療にならないように保護者も歯科医院も予防に力を入れるようになっています。

 

子供の虫歯で知っておくべきこと

乳歯は7ヶ月ごろから生え始め、3歳ごろには全ての乳歯が生え揃います。

乳歯は全部で20本あります。

時期によって虫歯の好発部位が異なります。

しかし、基本的には上の前歯の間、奥歯の噛む溝、奥歯と奥歯の間に虫歯ができやすいと言われています。

また、乳歯の時期には『感染の窓』という時期があります。

通常、生後すぐには赤ちゃんの口の中には虫歯の原因菌はいないとされています。

乳幼児期に大人から子供へと感染が起こり、それが虫歯の菌の定着につながります。

その時期は1歳半ごろから2歳半ごろまでです。

この時期は特に食器の共有、食べ物の口移しは避けるべきとされています。

乳幼児期の親ができる虫歯予防の一つです。

 

親がしてあげられること

子供の虫歯予防としてできることは、大きく分けて歯科医院でできることと、ご家庭でできることの2種類があります。

歯科医院では歯磨き指導やフッ化物を利用した予防が主になるでしょう。

歯並びが悪い場合には汚れが停滞しやすく、虫歯にもなりやすいので歯列矯正も含めた治療になるかもしれません。

それも虫歯の予防の範疇となるでしょう。

ご家庭では、前述のように食器の共有などを避けることやフッ化物配合の歯磨き粉を利用した仕上げ磨きを行うことが、虫歯の予防方法として挙げられます。

幼児期は特に歯磨きを子供自身にさせても歯磨き粉を吸って終わってしまう場合や満足に磨けていないことが多いです。

しっかりと仕上げ磨きを行うことを習慣化するようにしましょう。

時として磨き残しを確認するための染め出しをして、目で確認することも日頃から虫歯予防が出来ているかの指標となるでしょう。

また、定期検診に行くことも虫歯予防として重要です。

 

 

 

 

自宅で注意すべきこと

虫歯は

・糖

・細菌

・歯

・時間

があると成立します。

虫歯ができる環境を断ち切るにはそれらに対して注意や予防、改善が必要です。

それらが変われば、虫歯の予防につながるでしょう。

ご家庭では何をすべきか、親ができることや子供自身ができることを確認してみましょう。

 

 

糖と時間に対する対策

糖は文字通りお砂糖などの甘いものなど虫歯菌に利用される糖を指します。

糖は人間にとって必要不可欠なものなので摂取しないことは困難でしょう。

大切なのは摂取する時間（頻度や長さ）です。

長時間ダラダラと時間をかけて食事をすることは、歯が糖にさらされる時間が長くなることを意味します。

加えて食事時間やおやつ時間以外に飲食（水などの糖を含有していないものは除く）は控えましょう。

炭酸飲料やスポーツドリンクは糖の含有が非常に多く、酸度が強いです。

水の代わりにそれらをよく摂取する子供は非常に虫歯のリスクが高く、虫歯にならなくても酸蝕症になりやすいです。

酸蝕症は虫歯ではないですが、歯が嗜好品などによって溶かされる状態を指します。

虫歯のような症状を呈するため注意が必要です。

 

 

 細菌と歯に対する対策

口の中に定着している細菌を0にすることはほぼ不可能です。

したがって、細菌の量を減らす対策や細菌の活動性を減らす事が必要です。

細菌の量を減らすには、歯磨きをして物理的に細菌を歯から落とす事が重要です。

歯磨きをしても虫歯になる時は、歯は磨いているかもしれませんが磨けていないことが考えられます。

また、歯に塗布したり、歯磨き粉にも利用されるフッ化物は細菌の活動性も低下させます。

フッ化物利用は歯のエナメル質を強化する働きもあるため、ご自宅でも使用することをお勧めします。

フッ化物は家庭で使用する歯磨き粉程度の濃度では中毒になる可能性は考えられず、安全に使用可能です。

乳幼児用の歯磨き粉の匂いは甘く、フルーツのような物が主流のため小児期には受け入れられやすいです。

 

 

 

歯科医院で行う虫歯予防

歯科医院で行う子供の虫歯予防としては、本人や保護者に対する歯磨き指導が挙げられます。

子供の歯は大人ほど本数ありませんが、歯の厚みは薄く一旦虫歯になると速やかに広がってしまいます。

人それぞれどこが磨けているか、磨けていないかは変わります。

個々に適した歯磨き指導を受けることやその磨き方を習得することは予防の第一歩です。

希望があればどの程度磨けているか歯垢を染め出すことも行います。

その上で、フッ化物の歯面塗布やシーラントという予防処置も併せて行います。

 

 

 

まとめ

子供の虫歯予防について親ができることなどを確認してきました。

幼少期はどうしても子供だけに口の管理を任せることは難しく、保護者の介入が必要です。

歯磨きだけでなく、普段の飲食についても時間や頻度を確認してみましょう。

ご家庭での予防に加えて歯科医院での定期検診も重要です。

仮に虫歯が見つかったとしても、虫歯は早期発見と早期治療により治療回数も時間も抑えることが可能となります。

ご家庭と歯科医院での予防によりお子さんの虫歯予防を万全にしていきましょう。