歯の色が変わる原因

歯の色が変わってしまって気になる場合にはいくつかの原因が考えられます。

例としては、虫歯、外傷などによる歯髄の壊死や壊疽、茶渋などによる着色（外来色素沈着）、薬物によるもの、被せ物が破損し審美障害を起こす場合などが挙げられます。

歯の状態によって治療方法も大きく異なるため、変色や着色してしまっている歯の診査や診断が重要になります。

見た目だけでなく、レントゲン写真などからの情報も大切です。

 

生活歯の色が変わる原因

歯の色が変わる原因としてまずは生活歯（神経がある歯）を考えてみます。

生活歯の場合で色が変わる場合は虫歯によるものや嗜好品による着色が多いです。

歯自体の色を元々の色よりも、もっと白くしたい場合にはホワイトニング治療の範疇になります。

虫歯では歯の表面または内部が黒くなったり、グレーに透けて見えるようになります。

歯の表面にとどまる虫歯では白濁したように見えることもあります。

着色は単に歯の表面の色が変わっているだけで虫歯とは異なります。

その他にお子さんがいる保護者の方が、子供と比べて自分の歯が黄色になっていることを気にする方がいます。

子供の歯は乳白色のため白が目立ちますが、永久歯は黄色味がかっている場合が多いです。

永久歯が黄色く見えることは自然なことなので心配しなくて大丈夫です。

 

失活歯の色が変わる原因

次に失活歯（神経が無い歯）を確認します。

神経がなく歯の色が変色している場合には、外傷などで内部の神経が壊死などを起こしている時、被せ物をしている歯の表面が欠けたことにより内部の金属が見えている時や表面の樹脂の着色などによるものが多いです。

子供の時に前歯をぶつけた後、数年間は変わりがなくてもその後に歯の色が変わってしまう事があります。

歯の神経が死んでしまう場合はこのような時に起こることがあります。

 

 

 

変色や着色に対する治療

治療については生活歯や失活歯、被せ物がしてあるかなどで変わってきます。

治療方法もすぐに治せるものから何回か治療回数がかかるものまで様々です。

 

生活歯の変色に対する治療

生活歯の場合には虫歯があれば大きさによって変わりますが、一般的にはレジンという樹脂を用いて詰めて治すことが多いです。

虫歯がごく初期で歯が白濁している程度ではフッ化物塗布をすることもあります。

虫歯が非常に内部まで進行しているような場合には神経を取ることもあり得ます。

茶渋などによる歯の表面の着色にはスケーリング（歯石を取る）やポリッシング（歯の表面を磨く）をすることで除去できます。

またエアフロー（パウダーを吹き付けて着色を除去をすること）をすることで、より効果的に着色を落とすことができます。

この場合、歯の表面の着色は虫歯ではないので歯を削る必要はありません。

歯自体の色を白くしたい場合にはホワイトニング治療が適応となります。

 

ホワイトニングでも変色が治りにくいこともある

ある薬剤を使用した既往がある方は、歯の色が濃い茶色になることがあります。

このような方はホワイトニングをしても効果が得られにくいのが特徴です。

見た目を改善するには被せ物をしたりすることによって改善を図ることもできますが、歯を削る量が多くなってしまいます。

歯を削ることにより、歯がしみてしまうことや痛くなることのデメリットが出てきてしまう可能性があるのでそれは覚えておきましょう。

 

失活歯の変色に対する治療

失活歯の場合には根の治療を行なうべきかを判断してから治療を進めることが多いです。

該当する歯において自身の歯が殆ど残っている場合には、歯の漂白（ブリーチング）によって歯の変色を改善できることがあります。

残っている歯が少ない場合や元々被せ物をしている歯は新しい被せ物を入れることが多いです。

被せ物が一部壊れてしまったことによる審美障害の場合には、壊れた部分だけを修理することもあります。

 

 

 

 

色の変わった歯にならない様にするには

上記のようにいくつかの原因があるものの、変色や着色を避けられない場合もあります。

外傷はその典型例です。

予防できるものは虫歯と色素沈着でしょう。

虫歯はいつもの歯磨きに気をつけることです。

虫歯はプラークコントロールができていない場合がほとんどです。

歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシなども使用してプラークコントロールを徹底しましょう。

色素沈着については、嗜好品（例：コーヒー、お茶、ワイン、タバコなど）に由来することが殆どのため止めることは難しいかもしれません。

頻度を減らすなど工夫しましょう。

また、例えばお茶やコーヒーなどを飲用した場合には、その後水で濯ぐなどをして色をつきにくくすることも検討してみてください。

色素沈着は歯の表面が汚れていることによっても付きやすいです。

そのため定期的に歯科医院で清掃してもらうことも着色予防になるでしょう。

 

 

 

まとめ

歯の変色の原因とその予防方法について確認してきました。

変色や着色にはいくつかの原因がありますが、治療方法は原因によって異なります。

生活歯や失活歯で治療期間と方法が異なる点を覚えておきましょう。

個人で予防できることは限られますが、特に着色に対しては予防もあります。

無理のない範囲で取り組んでみてください。

着色と虫歯は見た目に区別が付きにくいこともあります。

定期的な検診で虫歯のチェックや清掃などをしてもらい、快適に過ごせるようにしましょう。

歯の見た目が気になる場合には早めに歯科医師に相談するようにしましょう。